kenさんのよがり笛2 2001/10/19 第 32号
     




いやー、寒いですね!
12月上旬の気温だそうです。
来週に焼成予定なのですが
窯の回りは暖かいので、
焼くのが楽しみに成ります・・。

今回は新しい試みも多く
・・いつもより結果が楽しみ・・・
実験は多岐にわたり、
一回の焼成では結果は出ません・・。
でも、少しでも方向が掴めれば見通しが・・・。

窯の上でスルメを焼きながら、
お神酒でもやるかぁ・・
ほんの少しなら良いでしょう
そう言えば飲んでいない
美味しいお酒もある・・

・・・・・・。
焼き芋でがまんするか?

・・・。




          手作りの窯  





陶芸作品は火の芸術と言われています。

前号に少し書いたか・・・、
高温の窯の中で粘土や釉薬など各分子はすごい事になっているらしい。
私はそんなに本焼きの経験は無いのであまり良く知らないが・・・。

火の中で釉薬は粘土と馴染み微妙な色や風合いをだす。

邪道かもしれないが マヨネーズ とか しょうゆ
とかを釉薬として使えるらしい。
燃えてしまうと思うのだが?
テレビでどこかのおじさんがそんなものを釉薬にしているのを見たことが
あり・・・「ふーん」と思った。
もちろんやった事は無いので機会があったらやってみるかな?
陶芸は偶然でも面白そうだ・・。


しかし、
オカリーナでは本焼きをすると音が硬く成ってしまう、
だから私は本焼きをしない。

・・と言っても
・・本焼きしている作品を民芸店で多く見かけます。
それは、
作品の硬度を増し販売途中での破損を防ぐ意味もあるらしい。

良く言えば・・
石の様に焼く事により出るしっかりした音が好みなのでしょうか?
言い変えると・・
硬い音・・私にはうるさい音に感じますが、
そんな音が好みの人も多いのかもしれません。

(フルートの人は違う金属の楽器で硬さと音色を体験しているかと
 思います。実はオカリーナもその様な問題が付きまとうのです)


普通・・オカリーナの焼成温度は900度以下でしょうか?

(何でも鑑定団の「良い仕事してますねぇ」と言うおじさんの様に、
 作品をつめでピンと叩くと 焼成温度 と ヒビが入っているか
 どうかが分かります。骨董屋さんはヒビが重要でしょうが、私達
 は焼成温度を見ます。業者のオカリーナは1000度ぐらいの物が多
 い様ですね・・・)


解説========良い音・・・?=====
焼成温度の設定は「良い音」・・と言う問題にぶつかりますが・・。

「良い音」の考え方が重要に成るのですが、
それはもうこのよがり笛ですでに扱いましたね。
その「良い音」の基準が違うとオカリーナは全く違ったものに成るのです。

前回の良い音の基準と違った方向で考えて見ましょうか?

単音で良い音に感じた音が、そう感じなくなる時が有ります。
それは曲を演奏して見ると解りますが、曲によっては妙に鼻についたり、
うるさく感じたり、全く別な感じになるのです。

その上、息の消費量が多かったりすると最悪!
全く使い物に成らないのです。
(焼成温度と息の消費量は関係有りません)

具体的には自分で体験するしかないのですが、
鳴り過ぎても嫌に感じる事がある事を覚えておいてください。

オカリーナには人の声と同じなのですよ。
いろんな声があるのですが・・・、
人の声と違って自分で選べるだけ幸せかも知れませんね。
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普通、本焼きでは窯の温度は1250度前後に成ります。
作品は1000度を超えると収縮(焼き締まり)が始まり単純には10%ほど
縮まり、作品がオカリーナだとしたら当然音程が高く変化してしまいます。
粘土で最初に作ってから乾燥するまでに10%収縮しますから、
(ここでも音程が高く成ります)
本焼き迄して作品にすると全体で20%も縮む事に成るのです。


解説==========素焼きと本焼き=============
普通の陶芸作品では700度ぐらいで素焼きをしてそれから本焼きをします。
素焼きされた作品(粘土)は水で溶いた釉薬に付けても解けなく、
その釉薬の溶けた水溶液を吸ってくれます。
(素焼きの温度はここに関係する水溶液の素焼きの作品に含まれる量)
それによって釉薬を付着させるのです。
その釉薬の濃度と素焼きを付ける時間に依って付着する厚みが変化し、
作品の仕上がりに大きな影響を与えます。
(簡単そうに釉薬をかけていますが、本当は物凄く難しいのです)

どこかの陶芸クラブで粘土をこね形を作り先生に釉薬を掛けてもらい、
焼成もしてもらうのでは・・自分で作った事には成るのでしょうか?
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さて、
陶芸の本にはいろんな事が書いてあります。
「自作の窯で楽しく出来る陶芸」
・・・なんて本があるかどうか知りませんが(もし有ったらごめん)

自分で窯を作り塩釉窯にしたり・・。
自然釉を目指したり・・・。
するのは、本当に面白そうですが、
オカリーナを作るのでしたら、絶対にやめた方が良いでしょう。

普通の人がオカリーナを作る上で最大の難関は焼成でしょう。

当然、自分で窯を作ったり、本に書いてある方法で焼いてみました。

解説========自分で作れる窯?=========
■七輪窯
七輪をひとつそれに植木バチ2つと言う構成
これは植木バチを合わせた中に焼成するオカリーナと炭を入れ針金でくくり
七輪の火で七輪の上に置いた植木バチの中の炭に点火し焼成すると言うもの。

■七輪を二つ使った窯
七輪を二つ合わせその中に焼成するオカリーナを入れると言うもの。
両方とも崩れたり割れたりしない様に細心の注意を払う必要がある。
温度は炭が燃える温度までしか上がらない。
送風機を使うと温度が上がるが、耐熱温度以上に上昇する危険と燃焼時間が
短く成る。(燃料の補給は構造上出来ない)

■台所で焼く?
そんな人も居る様ですが・・危険なのでやめた方が良い。

■自分で作る・・
窯の構造は簡単で自分で作る事も出来ます。
耐用年数を気にしなければ何でも良いでしょう?(本当か?)
私の場合は大谷石で作りました。燃料はマキ。
送風機もお弟子さんの設備やさんからの寄付を受け・・万全でしたが・・。

■ストーブ
大きなまきストーブなどが良い。 良く乾燥させた後、
上に置きそのまま温度を上げる(勝手に上がる)
温度が上がったら中に入れても良い。
タイミングが難しい・・。爆発の危険有り。破損もある程度覚悟!
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ここに書いた方法は全て試しましたが、
満足できませんでした。

原因は温度の調整が難しい事。
オカリーナを焼成するのには微妙な温度管理が必要なのです。

その前に・・・270度のラインを急激に突破して・・
窯の中で「ポン、ポン」と音がして、
苦心して作った作品が粉々なって行くのです・・。

確かに自分で作った窯で板焼いた作品は、
陶芸作品として面白い味を出していました。
しかし、オカリーナは粘土で作る作品ですが陶芸作品では無いのです。

オカリーナは楽器ですから見掛けではないのです。
陶芸作品は、本当にすばらしい作品がたったひとつでも出来れ
ば良いのかもしれません。

しかし、オカリーナはたとえ芸術性に優れた外観でも、
楽器としての機能が不充分ではゴミと同じ・・。
つまりpitchが標準に合っている事と音階が正しい事が必要です。
その為に焼成温度の管理が大きな比重を占めてきます。
データとそれを再現する為のノウハウが重要なのです。

したがって・・・オカリーナの制作をする人は
「手作りの窯」は止めた方が良いでしょう。
出来ればキチンと温度管理が出来る優秀な窯をご購入下さい・・・

結局それが一番安いのです。

もちろん、
最初は窯を持っている人に焼いてもらうのが一番!!
でも・・つくり方が安定してきたら依託焼成?を卒業し
自分で焼成しないと本当の意味で作った事に成らないかも・・・。




解説の方が長かったか?   ははは!





おしらせ・・・と 私の意見 ・・・です。

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私のオカリーナの演奏と制作を、お金と時間を使って各教室に習いに来て
いる方がいらっしゃいます。しかし、その殆ど同じ内容をインターネット
で公開しているのです。
もちろん核心に迫る肝心な事はインターネットでは当然書いておりません。
それでも読む人に寄っては十分に貴重な内容であると思っています。

本来、
情報はタダではないと言う事を理解して頂き、自分がそれを読む事によって
何か得るところが有ったとするなら、本名でなくハンドルで良いのですから、
その意志表示としての記帳は道義的に当然だと思います。
もちろん記帳してくださいと言う言葉に、何の拘束力も無く、記帳しなくて
も閲覧は可能ですし、パスワードを設定する気も今の所ありません。
それにしても・・・記帳する人は少ないですね・・。




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