kenさんのよがり笛2 2001/12/14 第 40号
     





本当に寒くなってきました。
10時を過ぎても日陰では氷が張り、
道路は凍って白くなっています。
何時も散歩で出会う人達が出会わなくなりました。

折り返し地点の近くに小山に挟まれた谷になっている所があり、
その中心地点に犬を飼っている一軒家があります。
そこの犬が不審者(私達)に向かって吠えるのです。

もちろん私の犬は吠えませんが・・。
この犬の吼える声が木霊するのです。
その木霊と実際の声で犬が二匹居るようで・・。
おばかな私の犬はおどおどして私の方を見ます。

この時期、確かに林の中はフルートやオカリ―ナを吹くと良く響きます・・。
葉っぱが枯れて地面に落ち音は硬い木に反射して良く響くのでしょうか?
近くに静かな林がある人は密かに楽器を持って出かけましょう。




            指で削れる・・ 





フルートの指で押さえ動く部分を「キー」と言います。
「キー」はフェルトをフイッシュスキンで覆いで、
トーンホールを塞ぐ事に依ってパイプの長さを変化させます。
管楽器ではそうして音程を変えるのです。

昔のフルートではキーが無くトーンホールの位置や大きさを工夫していました。
それでも音楽的な穴の位置と人にとって押さえやすい位置には差があり、
実際にはかなり無理な位置にトーンホールがありました。

私の家に有るキーの無いフルートでは、指の短い私ではちょっときついです。
その後、運指が楽になるようにいろんなキーが開発され、
ベームがさらに改良して今のフルートの形を完成させました。


それに対してオカリ―ナでは、
トーンホールの位置は音程に関係無いので自由に決める事が出きるのです。

  フルート オカリ―ナ館 オカリ―ナの原理

だから私はオカリ―ナを作るときに、
かなり気ままアバウトにポンス(穴をあける道具)で穴おあけています。
もっとも、オカリーナでは穴あけに失敗しても修正する事が出来ますが、
フルートではそうは行きませんし、正確さも必要なのです。


私の知っているフルート製作者は、トーンホールの位置の計算値と実際値、
それに他社のデータをグラフにして検討しています。
その秘密のグラフは大変大きく壁一面に書いてあり内容も、
大変良く出来ており各社の特性から納得できるものでした。

そうする事によって他社のフルートメーカーがトーンホールの位置を
どの様な事を考えて決めているかが解るそうです。

また、有るメーカーではトーンホールの位置を決めるために、
細かく接続できるフルートを作って実測したそうです。

かと思えば、奏者のいい加減な一言で寸法を変えるメーカーも有り、
「神ががかりなお告げを言う奏者にも」困ったものでした。
(一般の奏者がその有名人と同じ奏法をしているとは限らない)

従って、貴方は知らなくても実際の楽器では少しづつ変化しています。
(・・・メーカーも知らない間にドジな作業員のおかげで、
   勝手に変化している楽器も有ります・・ははは)



そんな重要なトーンホールですが、
オカリーナでは長い間に変化する事も有るのです。
(どのメーカーでも変化するわけではありません)

私はオカリ―ナで柔らかい音を求めるときに低温で焼成します。
すると、音色は柔らかく優しい音に成ります。
しかし問題は、楽器の強度や対磨耗性が悪くなるのです。
その、限界を求めて焼成の研究をするのです。

音色を硬く鋭い音色にするには簡単です。
高温で焼く事によって粘土は収縮し石に近くなり、
強度や対磨耗性も抜群に良くなります。
その反面、音色の事と共に吸湿性は無くなり水分を吸わなくなります。



私の求める音は石の音ではなく、

柔らかさの中に重さを持ち
透明で中心の輪郭がハッキリしている。

上手く言えませんが、
・・・・そんな音なのです。

その為に相反する性質の接点を求めるわけです。



低温で焼成されたオカリーナの問題は、
長い間にトーンホールが指で削れる事も有ります。
そのままにしておくと音程に影響がありますから、
その侵食をマニキュアなどを塗り食い止める必要があります。

しかし、同じ窯で焼成した作品でも使う人によってその差が出ます。
指先が白く変色する位に強く穴を押さえている人は、
特にそうなり易いかもしれませんので要注意です。


フルートではそんな事は無いはずですが・・・
私が最初買ったフルートは一年でガタガタに成り、
二本目のフルートでは一年半でキーの表面に有るデザイン模様の筋が
消えて無くなりました。

もちろんフルートではその事が直接、音程には関係しませんが、
楽器の表面の銀の部分はいつも触る所以外は真っ黒になりました。
其の事によって・・・たぶん音色には変化があるでしょう。

歌口のエッジ部分を綿棒で綺麗にしただけで音色は変わります。
それに、不思議な液体「アーテムパウゼ」を塗っても音色は変わります。
どんな風に変わるか・・・ご自分で実験してください。

(アーテムパウゼについては楽器店で購入できるはずですが・・?)



「キーの表面に有るデザイン模様の筋が消えた」

件に付いては・・。
多分、余程練習したのでしょう・・・。



でも、金属をも溶かす腐食性の恐ろしい汗が原因・・・

と言う説も・・・?


・・ははは






今回書いた楽器が削れる問題は解決しそうです・・・
現在の見とおし・・・でも、

金属でさえ削れてしまう人もいるぐらいですから・・・(だれだぁ?)

・・・とにかく、

指先の色が白くなるぐらい強く押さえるのはやめましょう・・・
絶対に良くありません。

力を入れていると・・・。

指が早く動かない。
指だけでなくその他にも力が入り痛くなる・・・ハズ。
・・・など・・・よい事は有りません。

それに、フルートではその様な吹き方をしている人には
絶対に自分の楽器を例え少しに時間でも貸さないのが常識です。

なぜなら、一度凹んだタンポは元に戻らないから・・
その後自分が演奏しようとしたら音が出なくなるのです。

基本的に自分の先生ぐらいの人にしか楽器は貸さない・・・これ常識!

余談・・・下手な楽器修理屋に楽器を出すのは
恐ろしくって私には出来ません・・。


Copyright (C)All Rights Reserved. --  mail