kenさんのよがり笛2 2002/02/15 第 49号
     



先日、この欄にて発表した、
「45度の法則」を破る人が現れました。
・・・田舎では登山の時と同じですれ違う人は
知らない人でも挨拶をするのです。
「すれ違う人は45度斜め前方で必ず挨拶する・・」
ハズでしたが・・・

有る寒い日に散歩の目標地である戸室山近くで
はでなスポーツウエアーの顔のでかい叔母さんを捕捉!
法則に従い挨拶の準備をしていました所・・・
ななめ70度ぐらいでいきなり
「オハヨ―御座います!!」・・・不意打ちだ!

まるで、10年前から良く知っている感じで!!
いきなり腹筋を使ったむやみに明るい声でした!
密かに挨拶の準備していた私は不意打ちを食らった感じで
小声で返事を返すのがやっとでした・・・。

ああ!折角法則を発見したのに!
1ヶ月ぐらいでそれを破る人が・・・?!
とどめは、帰り道でまたその人に合い
同じ位置から・・・たんぼに響く声で
話しかけられた・・・

シャイな私は歩く速度は変わらなかったのだ。



          演奏会での失敗?  



ここに書くテーマは200回位まで決まっているのです。
もちろん、内容は少し変化させて楽しんでいますが・・・。

でも、明日と明後日本番があるのに、
よりによって何でこんな話題なのだ?
・・・縁起が悪いなぁ・・・なんでや??


さて・・・本番での失敗・・
事件や事故ですね・・・まず、人の話から・・・!

ある、有名なハーピストの話・・・
フォーレのシチリア―ノの伴奏でしたが・・
曲が始まってすぐに崩壊!!
「ごめんなさーいペダルがぁ・・・」

グランドハープ(大きいハープ)には優雅に見える手の部分のほかに
長いスカートに隠れた?脚の部分には多くのペダルが並んでおり、
そのそれぞれのペダルを調号や臨時記号によって
上中下 3段階に踏み分けるのです。(大根おろしなどと言わない・・)
・・・さては・・・ふみ損ねたのか??

もちろん演奏は中止して最初からやりなおし・・。
観客は色んな珍しい説明を受けて喜んだ!?


有る有名なドイツのオーボエ吹き・・
超一級のソリストである。
その日は教会での演奏会・・・
有名なソロの時にその事故?は起きました・・・。
するとそのオーボエ吹きは一言
「シャイセ!!」・・・
(日本語で言うと・・くそったれ!!)

彼には自分の失敗が許せなかったのでしょう。
もう一回と言って吹き直したとか・・・。

翌日の新聞の音楽欄には、
あのXXが「くそったれと言って演奏を止めた」と出たそうです。


私の思い出に残る事故は

「カレリヤ組曲」ピッコロタンポ剥がれ事故・・・

この組曲にはマーチと言う曲が有り、そこにピッコロのソロが有ります。
結構有名なソロでオーケストラスタディやピッコロのエチュードに
載っています。
最初の音は中音の「ミ」そこから軽快に音が上がっていきますが、
その上の「れ」の音からとんでもない音に成りました。
もちろん、私は何が起こったか理解できません?
異様な空気が会場全体を包み指揮者や廻りの木管メンバー
そして、オーケストラ全体それに客席までもが凍り付いた!!

原因は左人差し指の「ド」の音のパッドが剥がれたのです。
ピッコロはキーに接着してあるだけでそのパッドが剥がれると
そのトーンホールを塞いだままの状態に成るのです。

演奏が終わると仲間のホルン吹きは涙を流して・・・
笑い転げて・・・みんなものすごく嬉しそう・・・
指揮者まで・・・ニコニコしながら・・・励ましに来てくれる?

「他人の不幸は蜜の味」なのです。


オネゲル他人聞き惚れソロ忘れ事件・・

これは、もっとも恥ずかしい事故ではなく事件だ!
有る時、エキストラのファゴット奏者が来た。
少しその演奏を聞いただけで、
そのファゴット奏者にはものすごい才能が有るのは解るのです。

オーケストラの曲の中には素晴らしいソロが一杯有ります。
例えば・・
ワグナーの曲の中のテーマでフルートで「ラ」の音を
長い音符でオクターブ上にあがるだけなのですが、
自分の中ではもっとも良く出来たソロの一つ・・・ふふふ

そんな素晴らしいソロが吹けたらもう満足!
もちろん、聴衆としてもそんなソロが聞けたら
それだけでその演奏会の入場料を払っても満足なのです。

そのファゴット奏者がソロを吹きました・・
案の定すごい演奏です!
「なんて素晴らしいソロなんだ・・」
私は音楽の素晴らしさを満喫していました。

ハッと気が付くと自分の吹くべきところ・・・

・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・ ・ ・。

やってしまいました。

普通・・・「落とす」と言いますが。
自分の吹くべきところを吹きませんでした。

落ち込んでステージを降りると・・
だれも何も言いません・・・。
指揮者を見ると上機嫌にしているので・・
そのまま知らん顔して帰りました・・。

この時、
私は演奏者としてでは無く完全に観客に成って居たのが原因!
でした。演技者は観客に成ってはいけないのです。


普通の?演奏家であれば、そう言った事件は数多く知っています。
あなたの知り合いにプロのオケマン(オーケストラ団員)が居るのなら、
是非聞いて見て下さい。
きっと、お腹の皮がよじれるぐらいの事件を教えてくれるでしょう。
もちろん、人の事を面白おかしく話してくれますよ。
ただ、あまり自分のことは言わないでしょう ・・・あはは


演奏する立場ではその様ですが、
これが聴衆として聞いている場合はチョット事情が変わってくるのです。
私にはなぜか演奏者の音を聞くだけで、いま演奏しているその人の
感じている事や考えている事が解るんです。

だから、そんなシーンに出くわすと、自分が演奏者でいる場合より
本当にドキドキしてしまい、動揺するのです。
演奏会と言うよりジェットコースターにでも乗っている感じでしょうか?
その演奏者の生活の背景、及び人生まで考え、同情してしまいます。
これは、長年のレッスンに於ける職業病?かもしれません。

そんな風に素直に音楽を楽しめないのです・・・。
中と半端に音楽を勉強するとろくな事に成らないのです。
何も知らない事は幸せなのです・・ははは


安心した貴方は素直で良い人!
今後も余計な事を考えないで素直に音楽をお楽しみ下さい!
あはははーーー


さて、遠くの人はチョット来るのは大変でしょうが
今日から小川オカリーナ作品展です。
この機会に数えてみたら25年も作っていたのでした。
まだ本当に満足出来る楽器は出来ません。

もし、粘土でなければもっと安定して作れるのでしょう。
粘土では不安定な要素が多すぎ心を痛めます。
でも、もし簡単に作れるものでしたら
こんなにやらなかったでしょうね・・・。

今回は完成されたオカリーナの発表ではなく
現状報告・・・と言った所でしょうか
その目標をするところは演奏で示す・・・かな?
そう言った意味でオカリーナの発表には
制作者の演奏は欠かせないと思います。

秘密ですが・・・ちょっと新しい発見も有ります。
もちろんそんな事は言いません・・・あははは


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