7つの質問・・続き



「オカリーナQ&A」のなかの 『7つの質問』の続きで、 前回の『エアーウェイの長さ』での"宿題"について 自分なりに関係があると思われることを含めてお教え願いたく よろしくお願いいたします。


(ちょっと返事が長いです・・)



1.エアーウエイの長さとアパチュアーについて

その後、エアーウェイの長さを40〜44ミリまで伸ばして試作してみました。 2・3個しか試していないのではっきりとは言えませんが、 やはり"安定"したように感じます。
ただ、なんとなく音の感じが一辺倒な音になったようにも感じます。

前回のご回答の中での、 『ホースを出口で絞った場合と、少し手前で絞ったときの水流』 の例について、実験する場所がないので実験はしていませんがイメージで、 管が長ければそれだけその中で整流されるけれど、 そのかわり"整流される"ことにより ブレスの微妙なニュアンスも同時に"整流"されてしまうと 思うのですが、関係はあるでしょうか。

2.歌口のエッジ



前回のご回答で、 >鋭角がよいかそれとも...。の問題は雑音と音色に関係します。
の『雑音』について、もう少々立ち入ってご説明をお願いします。 ここでいう"雑音"とは文字どおりの不必要な雑音を指すのでしょうか。 それとも音色に影響する音のカスレのことでしょうか。

また歌口の整形について、こんどは エッジの角度が大きい場合と小さい場合とで 音質と音の出に受ける影響はどのようになるでしょうか。
エッジの角度は『小さくすべき』でしょうか、『大きくすべき』でしょうか。

3.歌口の整形



歌口の整形については、エッジの上下については ずいぶん気にして整形ていましたが、 歌口の左右の仕上げもずいぶん問題になる事を知りました。
それと付随して 歌口の吹出し口側の上下の整形については"音の出"に どのように、またどれ位影響するものでしょうか。

4.トーンホール



下の親指のトーンホールの位置が歌口に近いと高音が出ないとのことですが、 上のトーンホールの位置については影響は無いのでしょうか。
歌口のエッジで内部と外部に分けられたエアービームが内部で流れるとき、 上部のトーンホールは穴を塞いでいても窪み自体、 エアーの流れに影響すると思うのですが。
またトーンホールを作成したときに裏側に出来るバリは音質に影響するでしょうか。 きれいにバリをとるべきでしょうか。

5.エアーウェイの整形方法



いま、竹で自作したエアーウェイ用のヘラを使用してエアーウェイの穴を作っていま す。
いくつか作っていて、 エアーウェイの吹出し口の、外面からの引込み量がどうしても安定しません。 そのためエッジの位置も深くなったり浅くなったりします。 エアーウェイの穴開けを安定的に行うよい方法は無いでしょうか。
やはり"馴れ"しか無いでしょうか。

6.焼成前と焼成後のピッチのずれについて



充分乾燥した焼成前のものと、焼成後のピッチのずれについて、 どれくらい見越しておけば良いでしょうか。
まだデータを取る量作成していないので、 いまの製作時点にある程度見越して作成したいと思っています。



****************************************************** 以上です。


1=【宿題の答えは:問題はエアーウェイだけでは無いのです。
空気は肺に入っています。その空気は気道

(本物の?エアーウエイ)

を通って口の中からエアーウエイに入りますが、 その間も整流に関係すると言うことです。
この事は、製作に直接関係は無いのですが、その事と、 その奏法を製作者として当然知っていなければ成りません。

水流の件は先端から5cmから10cm位の所を押さえると、 それまで素直に出ていた水流が乱れバシャバシャ?? と出てきます。
この事は、口の中やエアーウエイの中に

流れを乱す

物が有る場合、 空気も水流と同様に成ることを意味します。
従って、私の考えではある程度の長さがあれば良いと言う事に成ります。

ーー『音の感じが一辺倒な音になったようにも感じます』ーー

これは効率が良くなった為では無いでしょうか。
どこかに書きましたが?

効率

が良ければすべて良い訳ではないと思います。 (音色に関してです。かすれたオカリーナの音にも 何か引きつけられる物があります。程度問題ですが。ははは)

ーー『ブレスの微妙なニュアンスも同時に"整流"されてしまう』ーー

これは意味不明です。
上記の感想とダブっているのかも知れませんが、 あくまで自分の”息”がニュアンスを決めます。
余談ですが”息”と言う字は

自分の心

と書きます。



2=【上の質問にも関係しますが、”雑音”とは、 楽音にならない空気の音です。完全に無くすのは無理ですが、 完全に無くす必要があるかどうかは

センスの問題

です。
エッジの角度に付いては決まった角度はありませんので 音の好みによって変えます。

エッジの丸みが無い方が"カスレ"??
(私はシャーリングと言っています造語?です)が多いようです。

ただしここで言う角度と、先端の丸みを混同し無い様にしましょう。

また新しい問題が出てきました?】



3=【この問題に付いては結論を出していません。 と言うより

実験した結果、

それ程感じられ無かったと言った方が良いでしょうか・・・・。
リコーダー等では(外側から見て)下唇の部分が斜めにカットされていますし、 理論書にも低音を出すのに有効である等と書かれています。
それをオカリーナに応用した所それ程の結果は得られなく、
むしろ製作に取られる時間が増すだけでメリットは有りませんでした。
従って今はただ綺麗に仕上げる、としか言えません。】



4=【

歌口に近い

と言うことは”エッジ”に近いという意味です。
トーンホールは内部の振動を外界に反射させる意味を持ちます。
(変な日本語だ、開管の場合は粗密波が末端まで伝わり、 開口部で反射して戻る際に干渉を起こし、定常波と成るそうです)
つまりよく説明出来ませんが、 オカリーナは開口部が大きく成る事に依り、見かけの内部の体積が 小さくなり高い音が出るのです。
その時に振動部分が(エッジ)近いと振動が出来なく成る様です。
上部のトーンホールに対する内部のエアーの流れは 考えなくても大丈夫だと思います。
トーンホールの内側のバリは取って下さい。 これはどちらかと言えば音程に影響します。
厳密に言えば取る事に依り体積が増え音程は下がります。】



5=【その様な方法はいくらでもあります。
エアーウエイ用のヘラを固定出来る様な石膏型を作れば良い事です。
しかし、私は

大量生産

する訳でないので感に頼って開けていますが、 その少しのズレが意外な結果を生むかも・・・?】



6=【基本的にオカリーナを焼く温度では、焼成前と焼成後には

音程の変化

は殆ど無く、 変化があるのは製作時から乾燥までの間で、 この間に約半音高くなります(収縮)。
その量は粘土の種類、粒度、水分含有量、等に依って変化します。
これをテストするには定型定量のテストピースを作ると良いでしょう。
それで粘土の種類や水分含有量の大まかな傾向は掴めます。

焼成による変化は無いと言いましたが、粘土の種類や 焼き方に依っては温度計の温度は同じでも収縮する場合が有ります。自分で焼く様に成っ たら解ります。】

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