オカリーナの原理



このサイトがインターネットに出来た時(1996年)はこのサイトに書いてある様なオカリーナの原理に関する記述はインターネットにも、それまで発行された本にも全く有りませんでした。 もちろん作り方に関する本や解説も皆無でした。最近の盛況を見るに付けこのサイトや私の本が果たし役割の大きさに嬉しい思いが有ります。 さらに、多くの人がオカリーナでの楽しみを見つけることを望みます。



つぼ状楽器



以前から丸めたパンフレットやコップそれに壺等を吹いて遊んでいました。それは意外に大きな音を出しビックリしたりします。パンフレット等は片方の開いている隅を塞ぐと音程が下がり興味が湧きます。
(壺やコップは口が広いので音を出すのにコツが有ります・・フフ

これらはオカリーナの原理と同じつぼ状楽器 (vessel flute = ベッセルフルート)と言います。 以前は閉管楽器として紹介をされたりしていたが音響学上の閉管と違っており、 (ヴェッセル フルート)つぼ状の容器内の空気が空洞共振を起こすことによって発音する楽器 (音楽之友社の音楽中辞典)つぼ状楽器として 分類されている。
実際にオカリーナを勉強する上では、具体的に他の笛の縦笛などと(横笛でも良いのですが)どこがどう違うかと言うことを知っている必要があります。


発音原理



一般の笛族と同じで、空気がエッジに当たりそれによって音が出ます。
その仕組みは良く解りませんが、2つの意見があります・・・。

その一つは
エアーが当たるエッジの表面でカルマン渦が出来、それが空気分子のに振動を与え、 粗密波と成り管の端まで行って反射して戻ってくる。 その行きの粗密波と帰りの粗密波とが干渉を起こし定常波となると言う理論。
もう一つは
エアーがエッジに当たり中に入る空気の為に管の内部の圧力が上がりエアービームは押し出される。 すると今度は管の内部の圧力は低くなり押し出されたエアービームは管の内部に引き込まれる。 これを繰り返す事によって音に成る。つまりエアービームが振動すると言うものです。
(この分解写真を見ていますから、どうやらこちらが本命らしい?)

オカリーナを実際に演奏する我々にはどちらでも良いのですが、音が出るのには色々な原理が働いている様ですよね。 ここで大切なのは・・音の高さつまり波長(音程)を決めるのが、体積であるか 長さであるかなのです。 オカリーナ等で音程を決める大切な要素は空間の体積で、実際には全体の体積に対する開口部の大きさ(面積の和) で音程を決めるのに対して、一般の笛は歌口からの長さが音程を決定する原因の大部分を占めます。 一般のフルート等が音程を決めるのはパイプの「長さ」である。 パイプが太いと音程が低く成るように感じるのはオカリーナの原理である体積の変化と混同しているからです。 フルートではパイプが太いことによって「音色」が変化しますが「音程」は殆ど変化しません。(たぶん)

≪引用する場合は引用先や原典を書きリンクをすると親切ですね≫

具体的には、一般の笛はトーンホールの位置(長さ)が音程を決めるのに重要な要因 であるのに対して、オカりーナは位置はどこでも良いのです。 これは、具体的に手の大きさや形、指の太さに合わせてトーンホールの位置を 自由にオカリーナの設計が出来るというメリットが有るのです。


倍音



倍音(ハーモニックス)の意味が分からない人のために 少し説明しようと思いましたが、面倒くさいので、ある事実をお教えします。 フルートは3オクターブも出るのですが、 普通の音は最低音から約1オクターブしか出ません。 2オクターブと3オクターブは倍音を使っているのです。
残念なことに、一般にオカリーナでは倍音を利用出来ないので、 音域が狭いと言う特徴が有るのです。

(倍音が決して出ないと言うことでは無く、 オカリーナのピッコロでは最高音”f”の全音上である”g” が楽器によっては出ます。 これはオカリーナの形状による事が大きいと考えられます。 つまり形によりオカリーナが"つぼ"として機能すると言うより、 有る接点を超えてパイプとして機能するのではないかと考えています。 細長い形状のオカリーナを作ると音色も機能も変わってきます。 つまり倍音が出ると言う事はオカリーナの特徴である形状から来る音色が失われると言うことでも有るのです)

開口部とは

開口部とはトーンホールは勿論の事ですが、 歌口を含めたすべての穴が関係してきます。(歌口を含めたと言う所が重要) 従って最低音は歌口をのぞいたすべての穴を塞いだ時に出る音です。 最高音は開口部分を広げていき、その歌口と共鳴部分で振動できるだけの 容積を残した場合です。

(最高音と最低音の幅は大まかには歌口の作り方つまり歌口の能力で 大きく変わりますが、当然限界があります。最低音が”ラ”から最高音が ”ファ”迄、出ない楽器は製作者の怠慢か演奏者の技術の問題でしょう)

オカリーナ運指の特殊性



製作段階で、運指はどの様に設定しても自由なのです。 (ドからレに変えるのに、どの指を動かすようにしても構わない) しかし、それでは本人を含め、世の中に混乱を招くだけですので、 一般的な指使いを設定するのが無難です。 従って替え指は、当然様々な可能性があり、 自由に組み合わせて創作できます。

(作ろうと思えばその曲だけに通用するトーンホールや、 特殊な調の楽器も製作できますし、現在日本では12穴が多いですが、 トーンホールを13や14と多くする事も出来ますが、 より不安定な音を増やすだけと言う事にも成ります)

o-toneの原理




o-toneとは私が発表するまで誰も使ってなかった高いソの音とその音を出す奏法ですが、 簡単に言えばオカリーナの運指の特殊性を利用しています。 この私の発表した画期的な原理を簡単に説明すると、 本来歌口の外側である場所に内側の体積より小さい体積を掌で造る事により、 オカリーナは掌で造った小さな部屋とオカリーナ本体の部屋を比較して、 小さい部屋の方をオカリーナとし広い部屋のオカリーナ本体を外部として機能させるものです。

≪o-toneをあなたが別の名称で呼ぶのは道義として・・・?≫

タッピングトーン




スピードをもって指でトーンホールをタップすると「ポン」と音が出ます。これがタッピングトーンなのです。 作ったオカリーナの音程は吹き方によって上下に半音ほど変化するのは周知の事実です。 貴方はその上下に半ほど有る幅(全音も有ります)の中でどの音程で吹いているのでしょう? また、本当はどの音程で吹いたら良いのでしょうか? それを知る方法がなのです。ずいぶん前から言っていますが誰も実践していないようで残念です。 この音の音程はそのオカリーナの体積に対する固有の振動数(音程)なので、その音程が貴方の出すべき音程なのです。 オカリーナ作る時息の設定を間違えなくて良いので作る方は必須の数値なのですが、難しいのは粘土の収縮や気温の変化に対する補正が必要です。 (この音程は気温等の影響をすでに受けていますので気温に対する配慮が必要です)

響かせる




普段オカリーナを吹いていて特に今日は良い音だなあと感じる時が有りますね。 翌日吹いてみると昨日の良い音は出ません・・そんな経験はしたことは有りませんか? 貴方が普段聞いているオカリーナの音はオカリーナ本体の音だけではありません。 吹いている場所・貴方の体・その時の気温や湿度・貴方の服装やその部屋の調度品・ そして貴方のオカリーナ・貴方の技術が関係して来るのです。 しかし、「響かせる」技術を貴方が習得すれば状況に左右されにくい良い音をいつも出せる様に出来ます。 それは、今出ている音に共振できる共鳴体を貴方の体で作れば良いのです。 むかし理科の時間に見せてもらった音叉とその共鳴箱の原理です。
実践方法はおがわオカリーナ奏法を参照してください。

実音




(楽譜に記譜された音では無く実際に出る音の事)

C管のオカリーナは、実際にはオクターブ上の音が出ます。 したがって、ピッコロのC管では2オクターブ上になります。
(殆どの方が知らなかったのは意外で吹いている楽譜の音が出ていると思っていたようでした。実際はオクターブ上の音なんですね)

F管でしたら楽譜に書いてある音より四度違う音が出ます。(実際にはオクターブと四度上の音です) つまり「ド」を吹いたら「ファ」の音が出るのです。
(不思議な事に誰も指摘して居ないばかりか実音として楽譜で示している事も有るようです。あなた自身でピアノで確かめてみて下さい)

音程




オカリーナの音程はあって無いようなものです。
(ソの音を吹けばその辺の音が出ると思って下さいハハハ・・・)
貴方の吹く息のスピードで半音音程を変えるのは容易な楽器です。
だから、難しいのですがその一方微妙な表現が出来ると言う事もあります。

実際には管楽器や弦楽器それに歌などではの平均律で演奏はしません。
音程には旋律的な音程と和声的な音程がありますので状況に応じて演奏者は自然に対応し変化させます。 (勿論作音楽器以外の鍵盤楽器等では演奏時にその様な調整は出来ません)

自分の為に製作した楽器でも実際に演奏してから最終調整をしますので、 購入した楽器が、そのまま使えると言う事は稀かもしれません。 そんな時は、このホームページを良く読み音程の調整を試みて下さい。

オカリーナは息の変化で音程が変化してしまうから音量の変化が付け難く、一本調子の演奏に成ることが多いのです。ですから選曲も幅が狭くなってしまいます。ですから、他の楽器等で訓練を積んだ人にとってこれは隔靴掻痒の感は否め無く大変不満に思うところなのです。
その不満を解消するテクニックをおがわオカリーナ奏法を参照してください。 そして、その為の調律方法もあるのです。 (最も必要としない方にとっては「百害あって一利なし」かも知れませんが?)

気温




なぜ気温が高くなると、音程が高くなるのでしょうか?
気温が高くなれば、オカリーナも膨張して大きくなり、音程が低く成るはずですが。
(エッ、そんな事考えたこと無い?困ったな、冬に、吹き始めた時からしばらくしたら、音程が高くなりませんでしたか)
答え:オカリーナ自体の膨張率より空気の膨張率の方が大きいため、本体が小さくなったのと同じ効果になる。

(違う意見は「音を伝搬する早さそのものが早くなる」と言うもの、しかし、

ピッチが高くなること自体変化はありません



(オカリーナに関する用語は私独自の用語を使用して解説をしております。 と言ってもそれらの言葉はオカリーナ界でも、もう一般的に成ってしまっています。 例えばエッジは ベン「弁?」 と言ったりしていた様です。 その他にはエアーウエイ・トーンホール・歌口など・・・・)


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