ある日の工房を見学すると・・

(むかし、公開していたものです)




型を使っての作り方



オカリーナを作るには色々な方法がありますが、 ある日の「お」カリーナ工房を見学してその一つの方法を見ましょう。 (現在の作り方とは違う所が有ります)
お茶碗を作るのに色々な方法で作ることが出来るのと同じで色々な作り方が考えられます。 ここでは、大量に作る作り方や安易な作り方による方法は採りません。 なぜなら、工業的に作るオカリーナには興味がないからです。 それは製品のバラツキから言えば安定しているかも知れませんが、 それだけ作者のセンスによる良い物が出来る可能性も無くなる事を意味します。 いわゆる手作りの良さを生かしたオカリーナ作りです・・。


型を使うことについてはもうご存じでしょうが、 量産のためでなく音程をコントロールする為なのです。 この事が理解出来ないのなら、 フルートオカリーナ館のオカリーナの部屋を良く読んでこちらにお越し下さい。

あれば便利な設備



灯油の窯です、オカリーナを作るには此ぐらいの大きさで十分です。




電気窯です。最大20個ぐらい焼けます。 電気窯で黒陶にすると(スーディングと言う現象、炭素に依り内部で絶縁が出来なくなる) ヒーター線断線の原因に成る事が有ります。





流し台



オカリーナを乾燥させる棚

日陰で乾燥させます。乾燥速度が意外に重要です。(いっぱい溜まるとうれしい)





手ろくろ(無ければ新聞紙で代用・・古代では木の葉を使用)




作り方


これから出るであろう音を想像しながら、一個ずつ丁寧に心を込めて作ります。
ここでは粘土に空気が入っている場合の空気抜きの仕方(ナイフ等で空気を逃がす)




サイドの木はタタラ板と言って粘土の厚みを決めます。(この様な形に延ばし型に合わせて切る)




型の上に乗せる

型の作り方に付いて解らない人は、オカリーナ情報のテキストを参照して下さい。




粘土を曲げ型に入れる




細かい部分を石膏面に接着させる(上から強く押さえつける)




余分な粘土の切り取り

この場合のナイフは刃のない部分をせこう型に押しつける様にしながら粘土を切ると良い。




先端部分の空間をヘラを利用して確保(ヘラは型に合わせて自分で作る)




ヘラはサイドのラインに合わせ動かす(粘土の厚さ)


(サイドのラインに従い管厚を決める)





エアーウエイ部分の粘土の付け足し方法

付け足した粘土は表面に出ないように中から押すと良い






内側上部のラインを決める




余った粘土は吹き込み口の方に親指で押す



上記の作業をしながら内部上方のラインを決める







余った粘土は切り取る




サイドの余った粘土の切り取り




内部の仕上げ




接着面に水分を補給する




爪楊枝で作った櫛で接着面を傷つける




ドベを刷毛で塗る




ドベ塗り終了




上下の型を合わせ吹き込み口を押し接着をする




型から取り出した接着部分(指で軽く押す)






型から取り出した粘土の表面(仕上げの時までそのままにしておく)




粘土の柔らかさによってヒビの状態が変わります




エアーウエイ用のヘラを差す(角度に注意)




ヘラの先端部分を印しをつける




ここで、半日ぐらい作品を乾燥させます。





この先の作業は粘土が少し堅い方が作業がしやすいのです。

バリを綺麗にする。

ここで使用しているナイフはペーパーナイフを加工した物です。




ポンスでトーンホールを開ける






エアーウエイを開けるときに使用するヘラ、細い物と仕上げ用




粘土の堅さに依るが細いヘラを使う前にナイフで開けるときもある。






細目のヘラを入れる




吹き出し口の上部の粘土がめくれている




ヘラによる吹き出し口の崩れ




吹き出し口の崩れの修正

4mmのポンスで修正したところ




ヘラを抜いた所




仕上げ用のヘラを入れた所




吹き出し口上部の仕上げ




少しずつ削る




エッジのラインまで削る




角度の調整






歌口と吹き出し口とエッジの下部






この後エッジの下部を削り歌口の成形を終了する

脇の仕上げ




調律後、表面の仕上げを行う






表面の仕上げ後トーンホールに出来たバリをきれいにする






仕上げをした物(左)仕上げ前(右)




この後少し乾燥させ、調律をしてから本乾燥に入る



堅くなった粘土の再生法です。


少し堅いぐらいの粘土は切り糸などで、薄く切り・・




タッパウエアーやビニールの中で、濡れたタオルに包み柔らかくし練り直す。





焼成中









焼き上がり。



中中央の白い棒は熱伝対温度計。素焼きなので作品は重ねても大丈夫です。




温度計です(古いのですが好きなんですよね)





黒陶にする



さやの蓋を開けたところ




一番ドキドキする時です。




お弟子さんの処女作品も綺麗に仕上がりました。






水洗いをしました・・・




さて、これから最終調整です。



お弟子さんのてびねりの処女作品。ちゃんとC管に成っていて、しかも全部の音が出ました。




黒陶にした作品・・・お弟子さんのもの

手伝ってあげましたが・・・これも処女作品です




日本橋三越の生徒さんの作品




オカリーナを作るための方法は他にも沢山あります。 簡単に作る方法を考え過ぎると問題にぶつかりますが、 そんな時は「作っているのは何で何の為に作っているのか」を思い出すことです。 そうすれば答えは出てくるでしょう。




Copyright (C)All Rights Reserved. -- mail