7つの質問


オカリーナ第一号が完成。
最初に[オーブン粘土]で作成したのが昨年の7月。ここまで丸1年以上かかりりました。
感激、というよりまだ“信じられない”心境です。期待していた(イメージしていた)——“丸い音”で、キンキンせず、思いもひとしおです。 さて、疑問がありますので、お教え下さい。

1.エアーウエイの長さについて
2.吹き出し口の厚さについて
3.エアーウエイと歌口の径の関係について
4.歌口のエッジの角度と配分について
5.焼成後のピッチ調整について
6.ニスについて
7.歌口が“丸”である必然性について






1.エアーウエイの長さについて

自分がいま作っているオカリナの形では、乾燥前整形 335グラム/12穴を空けて“ド”の指でBb−2・30centエアーウエイの長さは大体30〜35mmです・
長い方が音が安定するとお聞きしましたが、この長さは適当でしょうか。
また長さは自分とぇてはこれ以上長くしたくは無いのですが、その場合気をつける点はあるでしょうか。
そして(まだ先の話ですが)、各ピッチ管に対して、エアーウエイの長さの基準値みたいなものはあるのでしょうか。(管なら40mm、G管なら35mmのような)



かなり研究されているようですので、質問にはヒントに成るような事だけ答えます。

この問題は流体力学の分野になります。と言っても流体力学に付いては、何も知らない状態ですので簡単に言います。

気流が整流されるためには、(綺麗な流れに成るために、つまり流れの中に渦を起こすような力の成分が合った場合、吹き出し口から出た空気は安定しません)当然、有る程度の長さが必要と思われます。
その長さが最小の場合を考えてみて下さい。・・・・。
お解りでしょう。つまり加瀬さんの言っている質問は、その必要最小限度の長さはどれだけか?と言う事だと思うのですが、それは、厳密に言うとエアーウェイの中だけの問題ではないのです。

さて、どんな問題が他にもあるのでしょうか?・・・宿題ですよ。
(考える楽しみを・・・!)



2.吹き出し口の厚さについて

吹き出し口の厚さは、どれくらいにしたらいいのでしょうか。多分、どれ位にするかは音のボリュームの問題と思うのですが、目安としてどれくらいでしょうか、また吹き込み口から吹き出し口までのエアーウエイの厚みの絞り込みは平均に絞って行けばいいのでしょうか、それとも吹き出し口手前まで平均にして、吹き出し口付近で絞り込んだ方がいいのでしょうか。
いま自分の使っているエアーウエイ用のへらは、吹き込み口が2.5mm、吹き出し口部分で0.6mm程度にして 吹き込み口から吹き出し口までは平均して厚みを絞り込んでいます。



吹き出し口の厚さのことを”アパチュアー”と言います。
これは主に空気の量とエアーのスピードに関係し、音の出る仕組みに重要な要因を与えています。

同一の圧力の場合、アパチュアーの大小がエアースピードに与える変化は?
同一のアパチュアーの場合、圧力を変化させると・・・・・・・・・・・・。

私は上記のことより、主に空気の消費量の問題として捉えています。
簡単に言うと、それぞれの演奏者にとって最適な消費量は違うので、自分の演奏能力と、演奏する曲の要求(フレーズの長さ等)に依って変わります。
ご存じでしょうが吹き出し口と、吹き込み口は粘土の収縮によって、乾燥までにヘラの厚さより一割ほど少なくなります。したがって、0.6ミリは0.54ミリになる計算になります。これは好みですから構いませんが、 私はC管で、0.8から1ミリ位を目標にしています。ただし、これは全体の大きさ、歌口の大きさ、演奏者の吹き方によって大きく左右されます。

実験です:もう一つの絞りの問題ですが質問、1の整流の問題とだぶってきます。 ヒントとしては、水をまく時のノズルの無いホースを思い出して下さい。 大抵親指と人差し指でノズルを作りませんか?また、先端から少し離れたところを絞ってみて下さい。水流はどの様になるでしょうか?






3.エアーウエイと歌口の径の関係について

エアーウエイの吹き出し口の幅は、歌口の径と同じくすべきでしょうか、それとも少し小さ目にすべきでしょうか。
自分の作った中で、吹き出し口が歌口の端に掛かっていない(つまり歌口の径より吹き出し口の幅が小さい)ものが、高音の出が良いように感じます。関係はあるのでしょうか。



歌口の経は単に歌口の大きさとして捉えるのではなく、吹き出し口からエッジまでの距離として考えて下さい。歌口の大きさは開口部の一部として考えます。

歌口が円で無ければ成らないと言うことはありません。
楕円でも三角でも四角でも鳴ります。ここで問題になるのは効率の事ですが。効率がよいから音色が良いとは限らないと思います。それに、有る特定の音に対して最高の音が得られたからと言って、すべての高さの音に対応しているとも言えないと思います。
「歌口の径より吹き出し口の幅が小さい」方が高音が良く鳴ると言うのは、吹き出し口の隅の作り方のせいだと思います。仕上げのレベルが上がれば違う意見が出てくると思いますが・・・・。






4.歌口のエッジの角度と配分について

歌口のエッジはより鋭角にした方が音が良く出るのでしょうか、余り関係無いのでしょうか。それとも“音の出”より音色に影響するのでしょうか。
またエッジの角度の配分は、エアーウエイの延長線で外と内とに分割して、外側に多く配分した方がいいのか、内側か、それとも均等にすべきなでしょうか。





鋭角が良いのかそれとも・・・。の問題は雑音と音色に関係します。
厳密に言えば本当の鋭角は存在しませんが、有る程度の丸みが有った方がよいと思います。
次に、角度の問題ですが、これは重要です。基本的にはエッジの角度を二等分するようにエアービームを当てるのですが、中心線より外側の角度を小さくした場合明るい音がします。反対の場合は・・・・・。角度の配分は以上の事を知った上で決めます。最終的には製作者の好みです。





5.焼成後のピッチ調整について

焼成後は、焼き締まっているため、やすり等でしか削ることが出来ませんが焼成後の調整は、皆さんどのようにしているのでしょうか。(ドリルを使うとか...?)
それとも本来は焼成前にピッチ調整を完了しておくべきなのでしょうか。





基本的には焼成前に調整は終了しておくべきですが、どうしても直したい場合は、 調整できます。Q&A音程の調整又は音が合わないを、参照して下さい。(焼成後に削るための道具としては、小型の半丸ヤスリで鈍角のナイフを作り それで削っています)





6.ニスについて

昨日、ニスを購入しに行きましたら、「つや消し」と「つや出し」の2種類がありましたが、どちらを使用すればよいのでしょうか。(みなさんはどちらをお使いでしょうか)





ニスに付いては本来使用しない方が良いと思いますが、素焼きのままで吹いた場合唇がオカリーナにくっついてしまい、最悪の場合切れてしまったりします。
それと、色を塗りたいと言う人が居ますが色に依って有害な成分がありますのでニスを塗ります。
したがって、ニスも出来るだけ害の少ない物を選ぶべきです。
私も一時使ったことがありますが、今はニス仕上げはしません。







7.歌口が“丸”である必然性について
最後に、つまらない質問ですみません。オカリナを初めて手にした時からの素朴な疑問なのですが、リコーダーは歌口のエッジが“角”なのに、オカリナの歌口はなぜ“丸”なのでしょう。
というより、“丸”である必然性はあるのでしょうか。単に“作りやすさ”の問題でしょうか。
(多分そうだとは思うのですが)





=私も昔考えました。この質問は、質問3で回答済みです。=


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