オカリーナの制作について



ocarina

最初に・・・



私はオカリーナの制作を誰にも習っておりません。
このホームページで公開している理論や法則は 長年のフルートの演奏や教育の経験から誰の影響も受けなく、 独自で開発してきたもので有ることをお断りしておきます。

オカリーナを作ると言うことは、単に物を作ることではありません。 外見ばかりこだわった物や、本焼きをした物などは私は疑問に思ってしまいます。


作るのは形や色などではなく「音」だと思うからです。

いろいろな楽器の人が自分の音楽から出てくる音を求めて、 いわゆる「自分の音」を出すべく毎日練習をしています。 本当に「音」を求めると自分で作るしかありません。なぜなら私の求める音は、 売っている楽器には無かったのです。 もし貴方が今吹いていにオカリーナが最高の物だと思えばそれでいいのです。 しかし、自分の中に表現したい音や音楽の欲求が出て来て、 それを実現できなければ作るしかありませんね。

クラリネット・オーボエ・ファゴットなどの奏者が、 大変な苦労をしてリードと言う音を出す物を作っています。 彼らのリードケースを見ると沢山のリードが並んでいますが本当に 本番で使えるのは数本だそうです。

これは私の家にあるオカリーナと同じで、 これだ、と思えるのは一本だけなのです。 (上の写真のポリバケツの中にある物と同じように・・・。) 1970年代に、初めてオカリーナを作ろうとした時に、 複数のオカリーナ製作者にその作り方をたずねましたが、 「秘密だ」と言ってにべもなく断られました。

この様に簡単な楽器に秘密などあるわけが無いと思い作り始めたわけですが、 私には陶芸に対する知識と技術が不足していましたが、幸い陶芸家の大竹信次郎氏 から指導を受ける事が出来ました。
しかし、何より大切なのは音楽に対する感覚と知識です。 そのどちらが欠けても良いオカリーナを作ることはできません。

(その他には、音響学、流体力学、観察力、判断力、忍耐力、資金力、引力、魅力、 その他 ハハハ・・・失礼)
しばらくして、あるオカリーナ製作者と話をする機会がありましたが、 基本的なことが理解できていないまま作っているのを知り愕然としました。 (良いオカリーナが出来れば其れで良いのですが)
他の種類の楽器を見たときに、名器と言われる物は確かに外見も素晴らしい物です。 しかし外見が素晴らしいからと言って名器とは限りません。

オカリーナは製作者も演奏者もこれから素晴らしい人が出てくると思います。

作り方を教える機会が幾度もあり、まとめていた物が、 作り方と吹き方のテキストとして、1990年4月22日に村松楽器から出版されました。 何かの参考になれば幸いです。しかし肝心なことは半分ぐらいしか書いてありません、 ケチって秘密にしているのでは無く、ただ考える楽しみを残してあるのです。

初めて作った笛が、音を出した瞬間、言いようのない喜びが、貴方に!



制作方法の基礎


内部を見る為に


工房にて


大 作 品 展



自分で作っている方はレベルを判定して下さい。

1.音が出る鳩笛が出来る。(原理の理解)
2.オクターブの音域が出る。(調律の基礎)
3.全音域が出る。(歌口の効率。下のラから上のファまでです。これが出ないとダメ)
4.目的の調の楽器が出来る。(オカリーナの製作の応用)
5.コントロールのし易い楽器が出来る。(演奏技術・音楽性との調和)
6.特に気に入った音色である。(音に対する感覚)

(最低音の「ラ」から最高音の「ファ」迄、全音域が出ない場合は演奏者の技術の問題か オカリーナ制作者の怠慢です。 また、高音を強い息でしか吹けないオカリーナは高度な演奏に適しませんので、 平均した息で吹ける楽器を作るべきです)


kenさんのオカリーナ工房から


最近形を変えました。と言うより昔の形の変形でしょうか・・・。
それでも、今最高の楽器は以前のですが・・・それより気に入った物が出来るかどうか・・・。



白い物が今までの作品。(ネズミ色?のモノはナマです、これから焼きます)







オカリーナ製作練習の「笛人形」です。本焼きしてあります。(オカリーナは本焼きしません)




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